明確な仮想通貨規制を要求

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは5月31日、米証券取引委員会(SEC)との規制整備に関する方の裁判で、控訴裁判所に書類を提出した。

今回提出したのは、仮想通貨の明確なルール作りをSECに求めるための最終書面。コインベースは、ルール作成を早急に行わないと仮想通貨業界に深刻な悪影響を与えるなどと主張し、SECにルール作りを命じるよう裁判所に求めている。

この裁判は、SECが証券法違反でコインベースを訴えたものとは別の裁判。米国では包括的な仮想通貨法案が議会で審議中だが、この裁判も並行して進められている。

コインベースは今回、SECは仮想通貨企業を不条理な状態に陥れていると批判。SECは拡大解釈した権限に基づいて仮想通貨企業に規制遵守を要請し、遵守していないとする企業には厳しい訴訟を行なっているが、規制を遵守するためのルール作りは拒否していると指摘した。

そして、SECは、不可能を要求して企業を提訴することによって、故意に仮想通貨業界を破滅させようとしていると強く非難している。

こういった主張をもとにコインベースは裁判所に対し、ルール作りを拒否するSECの主張を認めずに、ルール作成を命じるよう求めた。

今回の書類提出に際し、コインベースのポール・グレウォル最高法務責任者はXで以下のようにコメントしている。

議会の承認と明確なルール作りなしに、SECは新しい業界に対して広範な監督権を主張することはできない。

我々はこれからも仮想通貨業界全体のために、規制が明確になるよう全ての裁判で求めていく。

国家レベルの規制整備へ

今回の裁判が進む中、米国では国家レベルの仮想通貨規制を作ろうと議会で審議が続いている。先週には、法案が下院を通過した。

「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法(FIT21)」という名称のこの法案は、仮想通貨の監督機関や証券性などについて規制を明確にすることが目的。法案の内容についてSECのゲーリー・ゲンスラー委員長は「規制に新しい抜け穴が生まれ、投資契約の監督で数十年続く前例が覆される」などと主張して、法制化に反対している。

一方、バイデン政権も内容に反対する表明を発表したが、ホワイトハウスはFIT21に拒否権を行使するのではなく、法律の策定に関して議会との継続的な協力を行うと述べている。

参考資料:https://coinpost.jp/?p=534907 

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Source: Rippleリップル)仮想通貨情報局