スタートアップ業界でセクハラが問題化している。投資する側が力関係を利用し、女性起業家に性暴力を加えるなど被害が相次ぐ。識者や当事者からは男性中心のジェンダーバランス是正に加え、起業家保護の環境整備が必要との声が上がる。(竹谷直子)
◆「仕事の話をしよう」と言われ無理やりキス
「愛人になれば月100万あげる」。カウンセリングなどの事業展開を目指していた松阪美穂さんが、数年前に投資家から言われた言葉だ。
「仕事の話をしよう」と言われて会うと、無理やりキスされた経験もあった。「事業計画書も見ずに性的要求をされた。『傷つく人がいるし、良くない』と伝えても理解されなかった」と話す。度重なるセクハラで精神疾患を発症、起業を諦めた。その後に女性起業家たちに話を聞き、多くの人が同じ状況に置かれていることを知った。
松阪さんは今年10月、業界の性犯罪撲滅などを目指して当事者コミュニティー「スタートアップユニオン」を立ち上げた。「(被害に遭った側の対応で利益・不利益が分かれる)対価型セクハラが圧倒的に多い。『性行為をすれば投資する』がよくあるケース」
◆「女性起業家の50%超がハラスメント経験」との調査も
起業活動に詳しい教育機関アイリーニ・マネジメント・スクール(東京都港区)の柏野(かしの)尊徳さんが6月に行った調査では、女性起業家105人のうち52.4%の55人が直近1年でセクハラを経験。加害者は投資家やベンチャーキャピタリスト(44.4%)が一番多かった。一方で被害を周囲に訴えたのは14.8%にとどまる。「報復が怖い」などの理由からだ。
金融庁によると、新規上場企業の社長のうち女性は2%。女性が少数派となることが力の差を生み、セクハラの温床になっている。雇用されていない起業家は、加害側と業務委託関係がなければ、セクハラの規制法の保護対象にならない。
柏野さんは「予防策も被害に遭った後の救済も不十分。通報する場所や専門家がサポートする仕組みをまずつくり、法律で罰則を設けるべきだ」と話す。
大学3年時、人工知能(AI)関連の技術を開発してベンチャーキャピタル(VC)から…(以下有料版で,残り 890文字)
東京新聞 2024年12月13日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/373226
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