ビットコイン、4年サイクルは終わりか【Future of Bitcoin】

ビットコイン半減期が間近に迫り、我々は何か大きな転換期を迎えているようだ。誰もが高騰するビットコイン(BTC)価格と記録的な高値更新の可能性に釘付けになっており、しかも、その波及効果は広範囲に及ぶ。暗号資産(仮想通貨)市場の隅々にまで及び、4年間の強気/弱気サイクルに終止符を打つシグナルとなる可能性さえある。

しかし、これは数字だけの問題ではなく、我々が暗号資産をどのように認識し、どのように接するかという点で、劇的な変化が起こる可能性があるということだ。気を引き締めて欲しい。これは暗号資産にとって、まったく新しい時代の始まりかもしれない。

ビットコイン上昇

4月に予定されているビットコイン半減期への期待に加えて、アメリカでのビットコインETFの承認や、ブラックロック(BlackRock)のような大手金融機関のビットコイン参入といったマイルストーンによって、ビットコイン価値はここ最近、急上昇している。

機関投資家の関心は空前の需要につながり、ビットコインは3月13日に7万3000ドル(約1100万円、1ドル150円換算)を超える史上最高値を更新した。これは、12日に10億4500万ドルの資金が流入するなど、ビットコインETFへの記録的な資金流入が追い風となったとみられる。

この動きは、暗号資産が合法的な資産カテゴリーとしてより広く認知され、機関投資家による投資の新たな段階が始まったことを意味する。また、ビットコインの信頼性と個人投資家へのアクセシビリティもさらに強化された。

こうした画期的な進展により、投資家はビットコインを直接所有する手間をかけずに、ビットコインへのエクスポージャーを得ることができるようになった。上昇した流動性と安定性は、より幅広い投資家を惹きつけ、メインストリームへの普及をさらに促進し、今のビットコイン価格の急上昇をさらに後押しすることになるだろう。

もちろん、まだ弱気な見方もある。しかし、1ビットコインあたり15万ドル〜25万ドルという予測もあり、ビットコイン市場は機関投資家の資金が大幅に流入する間際にある。これは、複数のデジタル資産セクターにわたって新たなレベルの成長とイノベーションを促進する、歴史的な周期的ダイナミクスの潜在的な変化のシグナルとなるだろう。

明るい兆しと暗い影

暗号資産市場は明らかに強気の勢いを見せているが、いくつかの要因がこの軌道を乱す可能性がある。長引くインフレが金融引き締めを促し、暗号資産のようなリスク資産に影響を与える可能性がある。また、経済成長の鈍化は投資家心理を冷え込ませ、投機的投資から関心をそらす可能性がある。

もう1つの短期的な懸念は、ビットコインマイニング業界だ。2024年に予定されている半減期は、大幅な業界再編とデフォルトの引き金になると予想され、資金繰りに苦しむマイニング企業は、利益率の低下と上昇する運営コストに苦しむことになるだろう。

このため、倒産に追い込まれた企業はビットコインを投げ売りせざるを得なくなり、価格が下落する可能性がある。さらに、規制や資金不足が課題となり、価格に下落圧力がかかる可能性もある。

2024年の選挙をめぐる不確実性が、さらに予測不可能さを増す。選挙結果によって規制がさまざまに変わる可能性があり、暗号資産に対する米政府のスタンスが変わる可能性もある。

共和党の大統領になれば、より有利な規制環境が提供されるかもしれないが、民主党の大統領になれば、金融の包括性や環境の持続可能性といった価値観と一致するため、この業界をより受け入れるようになるかもしれない。暗号資産規制に対する超党派の支持が高まる可能もある。

4年サイクルの終焉?

今回のサイクルのナラティブは「これが最後のサイクル」だ

最も興味をそそられるのは、半減期の予期せぬ副次的効果かもしれない。歴史的には強気サイクルの原動力となってきたが、半減期の影響は、150億ドルを超える驚異的なETFへの資金流入など、上述の他の要因によって影が薄くなるかもしれない。

「押し目買い」に長けた経験豊富なファイナンシャルアドバイザ ーに導かれた機関投資家や個人投資家による戦略的介入は、市場を前進させる半減期の効果を弱める可能性のある要因として大きな存在だ。

これは、ビットコイン半減期と連動していると思われる暗号資産の典型的な4年サイクルの終焉を意味し、代わりに暗号資産普及の主要な触媒としてETFへの資金流入が台頭し、比較的安定した上昇成長の軌道が生まれることを示唆する。ビットコイン半減期の前にビットコイン価格が急騰したのは今回が初めてで、これまでは半減期の後にビットコインの強気相場が出現していた。

この変化は業界全体に大きな影響を与える可能性がある。当初、暗号資産の精神は、中央集権的な通貨や制度に対するカウンターカルチャー的なレジスタンスに根ざしており、その根本的な主張は「not your keys, not your coins(鍵を保有していない限り、あなたのコインではない)」だった。

機関投資家や国家による所有

現在では、暗号資産の支配的なパワーはひと握りの機関投資家によってコントロールされ、所有権は自分の鍵にアクセスできない個人に分散される可能性がある。これは、分散化という当初の理想とは相反するものだ。

機関投資家による所有は、さらに大きなもの、つまり主権国家によるビットコイン所有につながる可能性がある。エルサルバドルに続き、暗号資産を買い集める国が増え、世界的なメインストリーム普及のスーパーサイクルが始まるかもしれない。

この変化はまた、暗号資産市場と伝統的に関連づけられてきた激しいバブルとバブル崩壊のサイクルからの脱却につながり、セクター内に成長と発展のためのより安定した環境を育成するかもしれない。

強気相場のユーフォリア(陶酔感)を味わう個人投資家は減るだろうが、ピーク時に購入し、相場の急落とともに一文無しになるという残酷な現実からも免れるというのは朗報だ。

この新たな安定性は、暗号資産企業や暗号資産プロジェクトに、市場サイクルのタイミングを計ったり、「暗号資産の冬」に極端な逆風に直面したりするのではなく、持続可能で長期的な発展に集中する機会を提供する可能性がある。

投資家や愛好家がボラティリティの高まりに備えるなか、市場が前例のない成長と、潜在的に根本的なパラダイムシフトの瀬戸際にあることは明らかだ。ほろ苦いことだが、この先にやってくる時期は暗号資産の黎明期の終わりと見ることもでき、その歴史における重要な進化を示すものだ。別れを告げる前に、ラストダンスを祝う準備を整えたい。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/226295/ 

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Source: Rippleリップル)仮想通貨情報局