格付け機関のS&Pグローバル・レーティング(S&P Global Ratings)は5月9日、投資家をインフレの影響から守る資産としての暗号資産(仮想通貨)の魅力に注目する一方、それを裏付けるデータの欠如を指摘した。

ニューヨークを拠点とする同機関は、米CoinDeskへのリリースで「暗号資産は理論的にはインフレに対するヘッジになり得る」と述べ、高いインフレ率と戦っているいくつかの新興市場での採用に言及した。

さらに「暗号資産は価値の貯蔵庫として機能するため、高金利・高インフレ環境下で需要があると主張する人もいる。しかし、我々は、暗号資産の実績はこれを証明するには短すぎると考えている」と述べ、ビットコイン(BTC)のアメリカでのインフレとの相関性の低さに注意を促した。

暗号資産推進派は、ビットコインの供給拡大ペースを4年ごとに半減させるプログラムコードにより、時価総額世界最大の暗号資産であるビットコインを、金のような価値貯蔵資産とみなしている。

いわゆるマイニング報酬の半減は、世界的に増加し続ける法定通貨の供給量と相反するものだ(推進派は、各国の中央銀行による大規模な紙幣印刷はインフレにつながると考えている)。分散型金融(DeFi)を含む広範な暗号資産市場は、中央集権的な現在の銀行システムに代わるものと考えられている。

しかし、過去のデータはそうでないことを示唆している。S&Pグローバル・レーティングの調査結果によると、S&P BDMI(同機関による暗号資産指数)の日次リターンとアメリカの2年および10年のブレークイーブン・インフレ率との間の過去の相関はわずか0.10であることがわかった。S&P BDMIのローリング3カ月リターンと10年ブレークイーブン・インフレ率の相関関係は、決定的なパターンを示していないと同機関は述べている。

言い換えれば、暗号資産市場とインフレとの間にはほとんど関連性がない。インフレヘッジのシナリオを検証するには、少なくとも0.75の強い相関が必要だと思われる。

ブレークイーブン・インフレ率とは、名目上の債券の利回りからインフレ連動債の利回りを差し引いて算出される、一定期間の投資家のインフレ期待を示す指標だ。

Statistaによると、消費者物価指数で測定される昨年のアメリカのインフレ率は平均8%だったにもかかわらず、ビットコインの市場価値は70%以上急落した。

両者の3カ月間のリターンを比較すると、決定的なパターンは見当たらない。(S&P Global/Fred)

このチャートでは、インフレ期待の高まりが暗号資産市場の評価を上げることができなかった時期をいくつか示している。この2つが同時にプラスまたはマイナスになった期間もある。

一方、同機関は、2013年以降、ゴールドの日次リターンは一貫してインフレ期待を追っているとし、「10年ブレークイーブン・インフレ率指数とS&P GSCIゴールド指数の間に95%の水準でグレンジャー因果性検定の証拠がある」と付け加えている。

グレンジャー因果性検定とは、時系列XがYの予測に役立つかどうかを判断するための統計的仮説検定だ。

「同じテストがビットコインではうまくいかない」とS&Pグローバル・レーティングは指摘している。

同時に、暗号資産は経済の借入コストに敏感なようで、長期の債券利回りよりも金利期待の影響を受けやすい米国2年債利回りとは逆の方向に動く傾向がある。

このチャートは、両者の逆相関を表している。(S&P Global/Fred)

「日次ローリング3カ月ベースでは、金利(2年物利回り)と暗号資産指数は、2017年5月以降、63%の確率で逆相関を示した。これはCOVID-19のパンデミック開始後の2020年5月から75%に増加する」とS&Pグローバル・レーティングは述べている。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/184529/ 

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Source: Rippleリップル)仮想通貨情報局