暗号資産に「乗り遅れた」と感じている人へ

最近の価格の上昇により、暗号資産(仮想通貨)に関心のある投資家の中には、チャンスを逃したと感じている人がいるかもしれない。ビットコイン(BTC)は年初から50%、直近1年では135%上昇している。

しかし、ブロックチェーンテクノロジーの変革的な性質と比較的小さな現在の利用状況まで視点を広げると、暗号資産の潜在的な経済効果のどれほどが未開拓のままかがわかる。

ブロックチェーンとビットコインを切り離す

ビットコインの現在の価格上昇とその潜在的な経済効果(それらは確かに相当なものではあるが)だけに注目している投資家は、より広範な世界経済に対する暗号資産の価値提案の基本的な原動力であるブロックチェーンテクノロジーを見過ごしている。

取引や情報との幅広いやり取りを支えるブロックチェーンのユースケースは、ビットコインのような単一資産をはるかに凌駕しており、さまざまな業界の効率性を高める可能性を秘めている。

下図は、ブロックチェーンのイノベーションに特に適した分野を具体的に示すことで、暗号資産の市場機会の大きさを大局的に捉えたものだ。

(分野ごとの資産評価の比較)

ブロックチェーンによる効率化が適している業界や資産は、基本的なユースケースが驚くほど多く、多様性に富んでいる。代表的な例をいくつか挙げてみよう。

  • 金融サービス:金融サービスにおける分散化の価値提案は、資産管理、取引、保険、決済などの分野に及んでいる。
  • エンターテインメント&ゲーム:コンテンツ流通の分散化、ロイヤリティ支払いの改善、安全なゲーム内収益化の方法の提供は、ブロックチェーンテクノロジーのエンターテインメントおよびゲーム関連の用途のほんの一部に過ぎない。
  • 情報技術インフラ:安全で分散化されたデータとコンピューティングパワーは、テクノロジーによって可能となるビジネスに、より効率的なインフラソリューションを提供する。
  • 債券:トークン化された米国債は今月、10億ドル(1500億円、1ドル150円換算)の大台を突破し、アセットクラスを超えた現実資産(RWA)トークン化の動きにおける早期のマイルストーンとなった。
  • 不動産:スマートコントラクトは、所有権の移転、定期的な賃貸料の支払い/利回り、金融派生商品など、さまざまな不動産のユースケースに非常にうまく適合する。スマートコントラクトをこのように利用することで、仲介ブローカーが買い手と売り手の間に立っている多くの業界をディスラプト(創造的破壊)することができる。
  • 価値の保存と移転可能性: 古典的なビットコインの価値提案でもある。暗号資産の特長(可搬性、可分性、希少性など)によって、価値の保存手段としての金や法定通貨に匹敵し得るものになっている。

新しい(そして昔からの)暗号資産投資家のための結論

潜在的な暗号資産投資家は、「チャンスを逃したのか?」と自問する代わりに、「ブロックチェーンテクノロジーが持つ変革の力を信じているか?」と問うべきだ。

暗号資産への投資は、マクロ経済を構成するさまざまな業界から、日常的な市場や人間の経験を包含する取引に至るまで、ブロックチェーンテクノロジーの広範囲におよぶ価値提案を信じることを表明するものであるべきだ。

暗号資産投資家がブロックチェーンによるイノベーションの価値提案を完全に捉えるためには、ポートフォリオの構築と継続的な運用に対する思慮深いマルチアセット・アプローチがきわめて重要になる。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/227397/ 

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Source: Rippleリップル)仮想通貨情報局